建設・建築業界が推進するSDGsとは?地域社会と環境を守るさまざまな取り組み
近年はあらゆる業界でSDGsの取り組みが加速しており、建設・建築業界も例外ではありません。構造物を築くだけでなく、環境への配慮や地域社会との共生を前提とした、新しい価値創造へと役割が進化しています。
今回は、業界全体の指針を示す日本建設業連合会の考え方をベースに、三井住友建設グループ、さらに三井住友建設鉄構エンジニアリングの具体的な取り組みまで掘り下げ、建設・建築業界のSDGsについて紐解いていきます。
建設・建築業界が担うSDGsの大きな役割
建設・建築業界は、道路や橋、ダム、住居や商業施設など、社会に欠かせないインフラや生活基盤をつくる仕事です。一方で、大規模なモノづくりには大量のエネルギーや資源を消費するため、CO₂排出や廃棄物の発生といった環境負荷も避けては通れません。
こうした特性を持つからこそ、建設業界は「社会を支える役割」と「環境を守る責任」の両面から、SDGsの達成に大きく関わる存在といえます。
日本建設業連合会では、建設業の特性を踏まえ、SDGsへの貢献を大きく3つの視点に整理しています。
①安全・安心な社会への貢献
自然災害から人々の命や暮らしを守ることは、建設業の大切な役割です。地震や台風、大雨などの災害が多い日本では、防災・減災の重要性が年々高まっています。
近年は、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進んでおり、点検・補修・更新によって安全に使い続ける取り組みも不可欠となっています。
災害発生時には道路の復旧や応急対応、復興工事までを一貫して担い、被災地の生活再建を支えます。これらは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標13「気候変動に具体的な対策を」につながる取り組みです。
②持続可能な社会への貢献(環境への配慮)
建設業における環境負荷を低減する取り組みの代表例が、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)です。これは、高断熱化や高効率設備によって建物で使うエネルギーを削減するとともに、太陽光発電などでエネルギーを創出し、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロに近づけるという考え方です。
近年は、脱炭素社会の実現に向けた動きが加速しており、建設業界においてもこうした省エネルギー・創エネルギーの取り組みが重要性を増しています。
さらに、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー施設の建設や、自然の機能を活用して災害リスクの低減や環境保全を図る「グリーンインフラ」の整備も進んでいます。環境負荷の低減と安全性の向上を両立しながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが広がっています。
③誰一人取り残さない社会への貢献(人・社会への対応)
建設業は、人が暮らす場所や働く場所をつくる仕事であり、すべての人が使いやすい空間づくりが求められます。
たとえば、高齢者や障がいのある方、子育て中の方、外国人など、さまざまな背景を持つ人々が円滑に利用できるよう配慮したバリアフリーやユニバーサルデザインは、代表的な取り組みです。段差の解消やスロープの設置、多機能トイレの整備、視覚・聴覚に配慮した案内表示など、ハード面での工夫に加え、誰にとっても分かりやすい空間設計が求められています。
加えて、業界内でも働き方改革やダイバーシティの推進が進んでいます。長時間労働の是正やICTの活用による業務効率化、女性や外国人材の活躍促進など、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりが進んでいます。
三井住友建設グループの「2030年の将来像」
三井住友建設グループは、2030年に向けたビジョンとして「新しい価値で『ひと』と『まち』をささえてつなぐグローバル建設企業」を掲げています。
社会課題の解決に貢献しながら、人々の暮らしを支え続ける企業をめざすという考え方のもと、実現に向けてデジタル化と環境対応を軸に、さまざまな取り組みが進められています。
デジタルと技術で現場を変える「SMile生産システム」
三井住友建設グループが推進する「SMile生産システム」は、BIM/CIM(3次元モデル)やAI、ロボットなどを活用した次世代の建設生産システムです。
先端のテクノロジーを活用することで、これまで人の経験や勘に頼る部分が多かった建設作業を見える化し、生産性向上や安全性の確保、作業負担の軽減を実現します。
人手不足が課題となる建設業界において、デジタル化は働きやすい環境づくりを推進し、業界全体の変革をリードする取り組みといえるでしょう。
「Green Challenge 2030」:脱炭素への挑戦
三井住友建設グループは、環境戦略として「Green Challenge 2030」を掲げ、脱炭素社会の実現に向けた具体的な目標を設定しています。
自社の事業活動に伴うCO2排出量は2023年比で42%削減、サプライチェーン全体では25%削減を目標に設定。さらに、再生可能エネルギー事業では、設備容量150MW以上の確保をめざし、太陽光・風力・小水力といった発電事業の拡大を進めています。
また、建設廃棄物のリサイクル率向上や、生物多様性への配慮など、環境負荷を総合的に低減する取り組みも進められており、事業そのものをサステナブルへと転換することをめざしています。
三井住友建設鉄構エンジニアリングが描く「2050年カーボンニュートラル」
三井住友建設鉄構エンジニアリングは、橋梁を中心とした社会インフラを支えるモノづくり企業です。親会社である三井住友建設の環境方針「Green Challenge 2030」に基づき、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めています。
CO2排出量削減の中間目標として、「2030年までに2020年比50%削減」を掲げています。
対象となる排出量は、以下の2つです。
- Scope1:自社の燃料使用などによって直接排出されるCO2
- Scope2:電力など、外部から供給されるエネルギーの使用に伴う間接的なCO2排出
この目標を達成するため、建設機械の燃料として従来の軽油に代わる低炭素燃料「GTL燃料(天然ガス由来)」を導入しました。また、省エネルギー性能の高い建設機械の活用や、将来的な電動化への対応も視野に入れています。
さらに、現場事務所や事業所で使用する電力を再生可能エネルギーへ切り替えており、日常業務レベルでのCO2排出量削減にも積極的に取り組んでいます。
詳細はこちら:2050年カーボンニュートラルの実現に向けた中間目標
まとめ - 社会貢献と環境保護の両立に向けて
建設業界は、気候変動への対応、インフラの老朽化、労働力不足といった社会課題に対し、技術と創造力で向き合い続けています。
三井住友建設鉄構エンジニアリングでは、橋梁の設計・製作・架設を通じて防災・減災に貢献するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現にも挑戦しています。
社会インフラを守り、地球環境を次世代へつないでいく。そうした大きな使命のもと、人々の暮らしや社会の発展に貢献できるのが、私たちの仕事です。「社会の役に立つ仕事がしたい」「形に残る仕事に関わりたい」という想いを持つ人にとって、建設業界は大きなやりがいに満ちています。
三井住友建設鉄構エンジニアリングの採用サイトでは、社員の声や当社の取り組みを多数紹介しています。興味がある方は、ぜひご覧ください。