社員・役員インタビュー
三井住友建設鉄構エンジニアリングの社員と役員にインタビュー。当社への就職・転職を決断した理由、現在の仕事と働き方、将来の目標など、それぞれの「今」について語ってもらいました。
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社員インタビュー

「常に新しい挑戦がある沿岸製品は いつまで経ってもおもしろい」
1991 年、三井住友建設鉄構エンジニアリングの前身である三井造船に中途入社。現在は沿岸事業部長として玉野(岡山)、四国の両工場の責任者を務めている。
執行役員 沿岸事業部長
K.N. 1991年 中途入社

海に関わる仕事に興味を持ち、沿岸製品づくりの道へ
私が高専を卒業して最初に就職したのは、海で使用されるさまざまな設備、いわゆる海洋構造物をつくるメーカーでした。子どもの頃は地元・大分の海の近くで育ち、自然と海に関わる仕事に興味を持ったのが、こうした業界に進んだ理由です。 その後、地元にUターンするため、大分に事業所のある三井造船に転職しました。会社の名前は「造船」ですが、携わっていたのは主に沿岸製品の製造です。その後、三井造船が事業再編を行った際、工場製作部門が分離されることになり、現在の組織に転籍して今に至ります。 途中、橋梁の仕事を担当することもありましたが、基本的にはどの組織にいたときも、現在の沿岸事業部で扱っている浮桟橋や防波堤、ケーソン、ジャケットといった沿岸製品をつくって納める仕事を続けてきたことになります。振り返れば、一貫して海に関わる仕事をさせてもらっているわけで、その意味でもとても満足しています。

製造から据え付け工事まで、統括者として全体に責任を持つ
現在私は玉野工場と四国工場という2つの拠点の責任者を務めています。その中で、工場での製造から据え付け工事まで一貫してプロジェクトを統括しています。 こうした役割を務められるようになるには、全体像が見える必要があり、そうなるためにはやはり場数が必要です。ものづくりには、 工程管理、予算管理、関係者との調整業務などさまざまな仕事があります。振り返ると、最初の5年くらいは、こうした一つひとつを一生懸命こなすだけで終わっていたように思います。しかし、5年くらい経つとだんだん全体像がわかってきて、自分なりの考え方が生まれてきました。 私の場合は、図面から全体像をイメージし、それを逆再生のように分解していって、どの段階で何をしなければいけないかということを考えています。そのうえで、「別のプロジェクトのときにはこのような問題があった」というように、過去の経験をお客様に共有し、よりよい製造方法を提案しています。

7つの協力会社を率いて完成させた海底トンネル工事
今までに最もやりがいを感じた仕事は、東京湾の臨海道路プロジェクトですね。このプロジェクトでは、交通量の多い臨海エリアの重要インフラとして、沈埋函(ちんまいかん)という巨大な鉄の箱を使う工法で海底トンネルをつくりました。沈埋函が使われるのは特殊な条件がある場合に限られ、業界でも10年に一度といわれています。 当時40代になっていたのですが、これほどの仕事を手掛けた経験がなく、最初に聞いたときには「沈埋函か……」とうなったものでした。さらにこの沈埋函は、1函あたり長さ134メートルという日本最大長のサイズ。製造工程も、全国7社以上の協力を得て、各部品を別々の工場で製作し、それを一括して組み立てるという大規模なものになりました。 この仕事で最も苦労したのは、関係者間の調整です。7つの協力会社が持つ製造設備や技術にばらつきがある中、それを一つの製品として統合し、スケジュール通りに進めていくのは至難の業でした。さらに、当社への発注元であるジョイントベンチャーも4つあり、それぞれと個別のやり取りが必要でした。そんな中、大きなイベントを控えて短納期が求められ、通常なら一函あたり3年かかるような工程を実質1年程度で終えなければならなかったのです。 大変だった分、完成したときの達成感は格別で、長さ約134m・幅約28m・高さ約8.5m近くもある巨大な沈埋函がドックから海へ送り出され、曳航(えいこう)されていく様子を見送ったときには何ともいえない感動がありました。

チームで働くことで、自然と視野が広がり成長できる
これからこの業界をめざす若い方には、ぜひ不安がらずに来てほしいと思っています。もちろん、これまでに学んだことは存分に活かしていただければと思いますが、ゼロからスタートという気持ちで構いません。私たちの仕事は決して一人ではできない仕事で、必ずチームで動きます。目の前にあることから着実にやっていけば、チームの中で自然と視野が広がっていくでしょう。 海の構造物には、一つとして同じものがありません。それぞれ大きさも違えば、据え付ける場所の条件も違います。そのたびに新しいことを考えるのが技術者としての醍醐味であり、それが楽しくてここまでやってきました。海の中という見えない場所をコントロールしつつ、つくったり据え付けたりする仕事は、どこか神秘的なところも魅力です。優秀な技術者ほど、他の人にはわからない特殊な経験をたくさん味わうことができます。 大きなものをつくるためには、たくさんの人と関わり合いを持つことになります。そんな仲間と苦楽を共有しながら引き渡しができたときの喜びは格別です。みなさんにも、ぜひこうした喜びを味わっていただければと思います。