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社員・役員インタビュー

三井住友建設鉄構エンジニアリングの社員と役員にインタビュー。当社への就職・転職を決断した理由、現在の仕事と働き方、将来の目標など、それぞれの「今」について語ってもらいました。

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社員インタビュー

「次世代の技術者育成とDX化に取り組み、橋梁業界5位以内をめざす」

取締役。社長補佐及び技術本部担当。1986年、三井住友建設鉄構エンジニアリングの前身である三井造船に入社。人材育成やDX推進に取り組み、橋梁業界で5本の指に入ることを目指している。

取締役 社長補佐及び技術本部担当

A.S. 1986年 新卒入社

壮大な橋づくりにロマンを感じ 会社とともに技術者の道を歩む

私は1986年、三井住友建設鉄構エンジニアリングの前身である三井造船に、新卒で入社しました。当時は、本州四国連絡橋の建設が盛んに行われていた頃。大学生のときに岡山県側の下津井瀬戸大橋の主塔建設の現場見学会に参加し、その工事を行っていたのが三井造船でした。 150mもある高い主塔に上り、四国側の島々を見渡したときに、この大海原に橋を架けるという壮大な計画にロマンを感じ、「自分の手で設計して地図に残るような橋を架けたい」という想いに駆られました。また、そのとき案内してくださった三井造船の社員の方が非常に丁寧にいろいろと教えてくださったことに感銘を受け、その人柄に惹かれて三井造船への入社を志願し、今に至ります。 入社当時の社名は三井造船でしたが、2012年に三井造船の国内橋梁事業と沿岸事業を三井造船鉄構工事に事業承継して三井造船鉄構エンジニアリングへ変更、その後三井住友建設の連結子会社となり、現在の三井住友建設鉄構エンジニアリングになりました。私は三井造船時代から橋梁の設計を中心に技術部門を担当しており、2025年3月末まで技術部門の本部長として、技術開発部や東西の橋梁設計部を統括してきました。 またICT・新技術推進室では、社内のICT・新技術の推進にも取り組んでいます。具体的には、DX化に向けてICT・新技術を社外で広くリサーチし、社内に「つなぐ」、実際に「取り組む」、そして良い技術は社内で「広げる」といった推進活動の実施です。工事案件の入札では、技術提案にデジタル技術を活用することで生産性や品質・安全性の向上を実現し、競争力の強化にもつなげることができます。 現在進行中のプロジェクトに、3次元計測があります。橋梁の場合、製作した部材を現場に持ち込む前に工場のヤードで仮組立を行うことが多いのですが、これをレーザートラッカーを用いた3次元測定器で部材の寸法を測り、パソコンの中で簡単に仮組立をシミュレートしようという取り組みです。高精度の3次元測定器を使用することで、シミュレーション仮組立の適用工事を拡大させ、更なるコスト削減や工期短縮につなげるべく、早期の実用化に向けて取り組んでいるところです。

時代のニーズに応えつつ、技術力と経験を活かし新たなチャンスも掴む

私は入社して39年目になりますが、その間に業界にも大きな変化がありました。最近では高度成長期に建設された道路ストックが高齢化し、新設橋梁の建設より既設橋の補修・補強工事の案件が増えています。また、補修で対応し切れなくなった際には、橋の架け替えが必要となるケースもあります。現状の交通をいかに維持させながら補修・補強や架け替えをするかという点で、まさにエンジニアリング力が問われています。 老朽化でいえば、やはり大規模な工事である高速道路の床版取替がビジネスチャンスとなるため、現在親会社の三井住友建設とも協力しながら、こういった大きな工事にも対応できるようにと奮闘しているところです。もうひとつ業界の大きな変化として、働き方改革があります。当社では残業時間の削減や完全週休二日制(土・日)も早い段階で導入し、育児支援や資格取得支援といった福利厚生も整備しています。土木業界の3Kのイメージを払拭できるよう、今も模索しながら職場環境の整備に取り組んでいるところです。

愚直に、誠実に、お客様と橋づくりにとことん向き合う

2004年頃、広島県で10年前に納めた橋梁で支承のセットボルトが破断しているとの連絡が入り、私と設計担当者、そして工事担当者の3名で対応に向かいました。当初はお客様より製品の品質不良や施工不良を疑われ、原因究明と安全対策を直ぐに行うよう厳しく言い渡されました。 私たちは、日々ドロドロになりながら現地調査やサンプルの採取や分析を行い、毎日夕方には必ずお客様へ進捗状況と今後の対応について報告しました。そして調査の結果、ボルトの破断は数年前に起こった大きな地震が原因であることがわかりました。すると、お客様の態度が一変。私たちに全幅の信頼を寄せてくれるようになったんですね。それまで毎日、愚直なまでに対応し、お客様のもとへ足を運んだことが評価につながったのでしょう。最終的にお客様の信頼を勝ち取れたことを誇らしく思いました。 実はそれ以降も、そのお客様からは別件で耐震関連の相談を何度も受けました。仕事が完了した後も頼りにしてもらえることは非常に光栄で、まさに技術者冥利に尽きますね。当社は真面目な人が多く、何でもしっかり答えを出すまで向き合います。そういった真面目さや愚直さというのも、当社のポリシーのひとつといえるでしょう。

若手・中堅を社外に誇れる技術者に育て、技術力の底上げを図る

現在の課題のひとつに、技術部門と工事部門の技術者不足があります。特に若手技術者の早期育成が課題であり、現在AIの導入も検討しているところです。過去の不具合やノウハウをAIに取り込み、必要なときに必要な情報を瞬時に引き出せるようになると、若手の経験不足のカバーや早期人材育成にもつながると思っています。設計不具合防止や設計照査など、熟練技術者の経験や知識が必要な分野にAIを活用することで、よりスムーズな技術伝承ができるのではと期待しています。 当社はもともと三井財閥系であり、「人の三井」と呼ばれるくらい人を大事にする風土が根底に根付いており、人がよすぎて困ることもあるくらいです(笑)。入社にあたって、人間関係や社内風土が気になる方も多いと思いますが、その点は安心してもらえると思います。 私の入社当時は、国内でいくつもの長大橋プロジェクトがあり、各地でかっこいい橋が架かっていく様を目の当たりにすることができました。今は長大橋等の橋梁新設のプロジェクト自体が減っており、若い人が橋づくりを身近に感じることが難しくなっています。 もっとたくさんの人に、橋梁のおもしろさや美しさを広め、橋づくりの魅力を知ってもらいたいですね。今の日本には、まだまだ橋梁新設の大型工事に携われる機会が十分にあります。私たちと一緒に、未来に残る仕事を手掛けてみたいという方は、ぜひお声がけください。